[2025年10月17日投稿]

「メダカを飼ってみたいけど、初心者でも上手に育てられるかな…」「何を準備すればいいのか分からない…」と悩んでいませんか。
メダカは比較的飼いやすい魚として知られていますが、正しい知識がないと失敗してしまう可能性もあります。適切な飼育方法を身につければ、メダカの美しい姿を長く楽しむことができるでしょう。初めての方でも安心してメダカ飼育をスタートできるよう、分かりやすくお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。
メダカ飼育が大人気!
メダカ飼育が人気の理由は、比較的丈夫で飼育しやすく、繁殖も楽しめる点にあります。また、屋内外どちらでも飼育可能で、限られたスペースでも十分に楽しめるのが魅力的です。初期費用も抑えられるため、アクアリウム初心者の方にとって最適な選択肢といえます。具体的には、基本的な水槽セットなら3,000円程度から始められ、メダカ自体も1匹100円前後で購入できます。春から夏にかけては産卵・孵化の神秘的な瞬間も体験できます。
メダカの性別の見分け方
メダカの性別を見分けることは、繁殖を考える飼育者にとって重要なスキルです。初心者の方でも簡単に判別できる特徴があるので、しっかりと覚えておきましょう。オスとメスの最も分かりやすい違いは、背びれと尻びれの形状にあります。
オスの背びれには切り込みがあり、尻びれは平行四辺形のような形をしているのが特徴です。一方、メスの背びれは丸みを帯びており、尻びれは三角形に近い形状になっています。
メダカのオス
メダカのメス
メダカの部位名称体型によるオスメスの見分け方
繁殖期のみの見分け方になりますが、オスは細身でスリムな体型をしており、メスは卵を持つため腹部がふっくらとしています。「どちらがオスか分からない…」と感じる場合は、複数匹を並べて比較すると違いが分かり易くなります。
メダカの選び方
ホームセンターやメダカ屋さんなどでメダカを選ぶ際は以下の点をチェックしましょう。
- 泳ぎ方が活発で元気があること
- 体やヒレに傷がないこと
- 体色がくすんでいないこと
- 上から見て痩せていないこと
- 生後何ヶ月かを聞き1年以上経っていないこと ※1
- 自然に春〜夏に生まれたメダカであること ※2
- 価格やハウスネームに捉われず自分でよいと思ったメダカを選ぶこと ※3
※1. 時間が経つほどメダカは、品種の特徴(ヒレが長く伸びる、ラメが目立つようになる、体外光の幅が広くなるなど)がよく表現されるようになりますがメダカの寿命を考慮し生後1年未満の個体を選んでください。メダカの寿命は2年〜3年です。
※2. 冬に生まれた個体は自然のサイクル(春夏秋冬)の感覚が鈍り、春~夏にかけて産卵しない、または産卵量が少ない場合があります。
※3. 価格が高ければ良いメダカとは思わないでください。価格はお店の生産量と品種の固定率で大きく変わります。また独自の格好のいいハウスネームは他に同一種または似通ったメダカが存在する場合があります。よく確認してから購入するようにしてください。
水槽の選び方
水槽の大きさは、メダカ1匹につき1リットル以上の水量を目安にしましょう。10匹飼育なら20リットル以上の容量が理想的です。水槽は屋外飼育なら睡蓮鉢やプラ舟、室内飼育ならガラスまたはアクリル水槽が適しています。
水槽の設置場所
屋外飼育の場合には直射日光が当たり風通しのよい場所を選んでください。※夏場は半日陰にしてください。
屋内飼育の場合にはエアコンや暖房ヒーターの風が直接当たらない場所また、人通りが少なく静かな場所に設置してください。
メダカに最適な水草
- アナカリス
成長が早く、水質浄化能力に優れた定番の水草です。メダカの隠れ家としても最適でしょう。
- マツモ
根を張らない浮遊性の水草で、管理が簡単です。酸素供給量も豊富で、メダカの健康維持に貢献します。
- ホテイアオイ浮草の代表格で、美しい花も楽しめます。根が産卵床になるため、繁殖を考えている方にもおすすめです。太陽の強い光が必要なため屋内での栽培は難しいです。ホテイアオイの原産地は南アメリカの熱帯アメリカ地域なので冬場は(低水温だと)枯れてしまいます。
- スイレン
綺麗な花が咲き、丸く大きな浮水葉が日除けになります。メダカとの相性がよいです。冬越しができる温帯スイレンがお勧めです。熱帯スイレンは寒さに弱いです。

ホテイアオイ

温帯スイレン
エサの与え方(屋外飼育のメダカ)
春夏秋の水温15度以上の日は2~3分で食べきれる量に調整し、1日2~3回の給餌が理想的とされています。
食べ残しは水を汚す原因となるため、観察しながら適量を見極めることが大切です。残った餌は速やかに取り除いてください。
季節によって給餌量を調整することも重要なポイント。
水温が低い冬場はメダカの代謝が下がるため、餌の量を減らして消化不良を防ぎましょう。またタンパク質や脂質など栄養分の低いエサに変える方法もあります。エサは良く晴れた日の午後昼下がりにメダカが水面に上がってきたらに1回与えるようにしましょう。
メダカの繁殖に挑戦しよう
メダカの繁殖は初心者でも十分に楽しめるメダカ飼育の醍醐味です。
春から夏にかけての繁殖期に適切な環境を整えることで、可愛らしい稚魚の誕生を体験できます。繁殖はとても簡単でオスとメスを一緒に飼育することで自然に産卵行動が始まります。繁殖水槽の場合には行動範囲が広くなるように1匹に対して水量3リットル以上を目安にしてください。10匹であれば30リットル以上がよいです。十分なスペースがあれば産卵行動が行いやすくなり受精卵の割合も多くなります。

産卵床についたメダカの卵
稚魚の育て方と注意点
卵は初夏頃では10日程(平均気温25度の場合)で孵化します。受精卵は弾力があり指で押しても潰れません。未受精卵は白く指で押すと潰れます。産卵床はセリアで販売されている「めだかの産卵床」や「ホテイアオイ」などがお勧めです。
産卵床にある程度、卵が付いたら親メダカに食べられてしまう場合があるので別容器に産卵床を移し孵化を待ちます。稚魚の餌については、市販の稚魚用粉末餌を1日3回ほど、少量ずつ与えます。また青水(プランクトン等)やインフゾリア(ゾウリムシ等)もよく食べます。※当店では青水飼育で親メダカのエサを指で潰しながら与えています。
生後1ヶ月を過ぎれば体長も1センチ程度に成長し、親メダカと同じ水槽での飼育が可能になります。

メダカの稚魚
メダカ飼育は初心者でも簡単?
メダカ飼育は初心者でも十分に楽しめる趣味になると思います。他の熱帯魚と比べて丈夫で、特別な設備や高度な技術を必要としません。メダカは日本原産の魚で、水温の変化にも強く、初心者の方でも簡単に飼育できます。
メダカ飼育が初心者向けである理由は以下の通りです。
- 水温管理が簡単で、ヒーターが不要な場合が多い
- 餌は市販の専用餌で十分対応できる
- 病気になりにくく、丈夫な体質を持っている
- 小さな容器でも飼育可能で、場所を選ばない
室内飼育と屋外飼育の違い
メダカの飼育環境を選ぶ際、室内と屋外では大きく異なる特徴があります。
室内飼育は温度管理がしやすく、年間を通じて安定した環境を維持できるでしょう。
水槽用ヒーターを使用すれば、冬場でもメダカが元気に泳ぎ回る姿を観察できます。また、外敵から守られているため、生存率も高くなる傾向にあります。
一方、屋外飼育では自然に近い環境でメダカを育てることが可能です。太陽光により水草が良く育ち、メダカの体色も鮮やかに発色します。「屋外は管理が大変かもしれない…」と心配する方もいるでしょうが、実は雨水による自然な水替え効果もあり、意外と手間がかからないものです。ただし、屋外では季節による水温変化が激しく、冬場は活動が鈍くなります。また、鳥や害獣などの外敵対策として、防護ネットの設置が必要でしょう。

メダカの屋外飼育 水槽に鳥や害獣が入らないように網を張り、大雨時の対処として3mm程の水抜き穴を複数あける。
エアーレーション(ぶくぶく)は必要?
メダカは自然に飼うことが基本と考えています。エアレーションがある事で水槽内の上層と下層の水温差があまりない状態になります。メダカは寒ければ底に潜りじっとしていますが暖かい日差しが入り水温が上がれば水面付近で泳ぎます。夏場は暑いと感じると下層に潜ることもあります。エアレーションがあるとこういった行動ができなくなるのでお勧めはしません。
それではどういった場合に必要なのか?1つ目は冬場ヒーターを使った飼育での場合です。ヒーターの熱を循環する目的でエアレーションを使用します。2つ目は低気圧によって溶存酸素量が減り常在菌である通性嫌気性菌(つうせいけんきせいきん)のエロモナス菌や偏性好気性菌(へんせいこうきせいきん)のカラムナリス菌などの病原菌の増殖を防ぐために使用します。※過去記事参照(屋外メダカ飼育の台風による影響)またメダカは自然界をみても水流がない環境を好み生存しています。エアレーションがあることで多少の水流ができてしまう場合があるので注意してください。
最後に
メダカ飼育は、正しい知識があれば初心者の方でも十分に楽しめる趣味になると思います。
今回紹介した飼育方法を参考にして、ぜひ素敵なメダカライフをスタートさせてください。
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