メダカは、水温、日照時間、餌、親魚の状態などが整うと、春から秋にかけて産卵します。 状態の良い親魚では、産卵期に繰り返し卵を産むことがあります。
ただし、暖かければ必ず産卵するわけではありません。 オスとメスの組み合わせ、親魚の年齢や栄養状態、水質、飼育密度、天候などによって産卵量は変わります。 このページでは、産卵の条件、繁殖行動、採卵、卵の管理、孵化後の針子の育て方まで紹介します。
メダカが産卵する時期
屋外飼育では、一般的に春から秋が産卵期です。 地域やその年の気候によって異なりますが、水温が上がり、日照時間が長くなると産卵が始まりやすくなります。
無加温の屋外飼育では、冬に産卵させる必要はありません。 冬は無理に繁殖させず、親魚の体力を保ちながら春を待つ管理が基本です。
メダカが産卵しやすい条件
産卵には、次のような条件が関係します。
- 水温が上がり、日々の変化が大きすぎないこと
- 日照時間が十分にあること
- 健康なオスとメスがいること
- 親魚が痩せておらず、餌をよく食べていること
- 水質が安定していること
- 過密になりすぎていないこと
- 卵を付ける産卵床や水草があること
一般的には水温20℃前後から産卵が見られやすくなりますが、品種、親魚、飼育環境によって差があります。 水温や日照時間の数字だけで判断せず、親魚の体つき、泳ぎ方、餌の食べ方も確認してください。
メダカのオスとメス
繁殖にはオスとメスが必要です。 一般的な体型では、オスは背びれに切れ込みがあり、尻びれが大きく平行四辺形に近い形をしています。 メスは背びれに切れ込みがなく、尻びれがオスより小さい傾向があります。
ただし、小さいメダカ、ヒレ長、ダルマ体型などは、オス・メスの判別が難しい場合があります。 繁殖させたいときは、成長した複数匹を飼育し、産卵の様子を確認する方法もあります。
メダカの繁殖行動
メダカは、朝から午前中に産卵することが多い魚です。 一般的な繁殖行動は、次のような流れで行われます。
- オスがメスを追いかける
- オスがメスの横や下へ回り込む
- オスが背びれと尻びれを広げ、メスを抱くような姿勢になる
- メスが産卵し、オスが放精する
産卵直後の卵は、しばらくメスのお腹に付いた状態で見られることがあります。 その後、メスは水草や産卵床へ卵を付けます。
メダカが産卵しない主な原因
- 水温が低い、または急に変化している
- 日照時間が不足している
- オスまたはメスがいない
- 親魚がまだ若い、または高齢になっている
- 親魚が痩せている
- 餌の量や栄養が不足している
- 過密飼育になっている
- 水質が悪化している
- 長雨や日照不足など、天候の影響を受けている
飼育数の目安は、容器の水量、形、日当たり、エアレーションの有無、管理方法によって変わります。 「何リットルなら何匹」と数字だけで決めず、追いかけが激しくないか、餌が全体へ行き渡っているか、水が急に悪くならないかを確認します。
産卵数を増やすために大切なこと
産卵数を増やすために最も大切なのは、親魚を健康な状態に保つことです。 特別な餌だけに頼るのではなく、日光、水、餌、飼育密度のバランスを整えます。
- 親魚が食べきれる量の餌を与える
- 痩せた個体や調子の悪い個体を無理に繁殖へ使わない
- 適度に日光が当たる環境で飼育する
- 過密飼育を避ける
- 産卵床を定期的に確認する
- 急な水換えや水温変化を避ける
青水や容器内の植物プランクトン、小さな生き物が親魚の餌になることもあります。 人工飼料と自然に発生する餌を組み合わせることで、親魚の状態を保ちやすくなります。
産卵床から卵を採る方法
産卵床に卵が付いていたら、産卵床ごと別容器へ移す方法が簡単です。 卵を指で外して管理する場合は、卵を強くつぶさないように注意します。
- 産卵床を確認する
- 付着している卵の状態を見る
- 産卵床ごと、または卵だけを孵化用容器へ移す
- 親魚の容器へ新しい産卵床を入れる
卵を多く残したい場合は、親魚の容器から分けて管理します。 親メダカが卵や孵化した稚魚を食べることがあるためです。
メダカの卵の管理方法
メダカの卵は、清潔な水を入れた小さな容器、孵化用の網、浮かせた容器などで管理できます。 管理方法はひとつではありません。
卵の水を毎日すべて交換する必要があるとは限りません。 水が傷んでいる、白く濁った卵が増えている、においがあるなど、状態を見ながら必要な管理を行います。
白く濁り、内部が変化しない卵は、未受精卵や発生が止まった卵の可能性があります。 そのままにすると水カビが広がることがあるため、周囲の受精卵を傷付けないように取り除きます。
透明な受精卵では、成長にともなって目や体が見えるようになります。 卵を観察するときは、直射日光による高水温にも注意してください。
卵が孵化するまでの日数
孵化までの日数は、水温によって変わります。 目安として「水温×日数」が250℃日前後になると孵化するといわれています。
- 水温20℃の場合:12~13日前後
- 水温25℃の場合:10日前後
- 水温28℃の場合:9日前後
これはあくまで目安です。 昼夜の水温差、卵の状態、品種などによって孵化日は前後します。 水温を上げればよいわけではなく、高温になりすぎると卵や孵化した稚魚へ負担がかかります。
孵化したばかりの針子
孵化したばかりの稚魚は、針のように細く見えることから「針子」と呼ばれます。 孵化直後はお腹に残った栄養を使うため、すぐに人工飼料を食べないことがあります。
泳ぎ始めてからは、口に入る大きさの餌が必要です。 針子の時期は、餌が見つからずに弱ることがあるため、孵化後の最初の10日ほどは特に注意します。
針子に与える餌
- 植物プランクトンを含む青水
- ゾウリムシ
- 針子用の細かな人工飼料
- 容器内に自然に発生した微小な生き物
一般的なミジンコは、孵化したばかりの針子には大きすぎて食べられません。 針子が成長し、口が大きくなってから利用します。
人工飼料は少量ずつ与えます。 食べ残した粉末飼料は水を悪くしやすいため、一度に多く入れないことが大切です。
針子を育てる容器
針子は、強い水流のない容器で育てます。 エアレーションを使う場合は、針子が流され続けない程度の弱い水流にします。
容器が小さすぎると、水温や水質が変化しやすくなります。 一方で、広すぎて餌の密度が低くなると、針子が餌を見つけにくい場合があります。 水量だけでなく、餌が針子の近くにある環境を作ることが大切です。
成長の早い個体と遅い個体の差が大きくなったら、サイズごとに分けると、小さい個体にも餌が行き渡りやすくなります。
産卵から稚魚育成までの流れ
- 健康な親メダカを飼育する
- 産卵床を入れる
- 産卵床に付いた卵を確認する
- 卵を親魚の容器から分ける
- 白く濁った卵を取り除く
- 孵化後は口に入る大きさの餌を用意する
- 成長差が出たらサイズを分ける
メダカの繁殖では、産卵させることよりも、孵化後の針子へ餌を切らさないことが重要です。 卵を多く採っても、針子が食べられる餌と安定した水がなければ、育つ数は増えません。
メダカの産卵に関するよくある質問
メダカはいつ産卵しますか?
屋外飼育では、一般的に春から秋にかけて産卵します。 水温、日照時間、親魚の状態、餌などが整うと産卵しやすくなります。
メダカの卵は何日で孵化しますか?
25℃前後では10日前後が目安ですが、水温の変化や卵の状態によって前後します。 積算温度250℃日前後を目安として考えます。
卵は親魚と分けた方がよいですか?
数を増やしたい場合は、卵を親魚から分けて管理する方法が一般的です。 親メダカが卵や孵化した稚魚を食べることがあるためです。
孵化したばかりの針子にミジンコを与えてもよいですか?
孵化したばかりの針子には、一般的なミジンコは大きすぎます。 青水、ゾウリムシ、針子用の細かな人工飼料などを利用してください。