カテゴリ遺伝・体型

ヒカリメダカは、背びれと尻びれがよく似た形になり、上下対称に見える独特な体型で知られています。では、この体型はどのように作られているのでしょうか。今回は、ヒカリメダカとして知られる Double anal fin(Da)変異体を調べ、背びれ側の体づくりに関わる遺伝子を探った論文を紹介します。

この論文はどんな内容か

この論文は、ヒカリメダカとして知られる Double anal fin(Da)変異体の体型が、どのような遺伝子の働きで生じるのかを調べた研究です。Da 変異体では、本来は背中側にできるはずの部分が、お腹側に近いつくりになる特徴があります。研究では、原因が zic1 と zic4 を含む 174 kb 領域にあることを示し、これらの遺伝子の働きが背びれ側で弱くなることで、上下対称に近い体型が生じる可能性を示しました。

要点まとめ

  • ヒカリメダカとして知られる Double anal fin(Da)変異体を調べた論文です。
  • Da 変異体では、背中側の体づくりが弱まり、お腹側に近い形が背中側にも現れていました。
  • 原因は zic1 と zic4 を含む 174 kb 領域にあると考えられました。
  • 174 kb 領域とは、約17万4千塩基分の DNA の範囲という意味です。
  • zic1 と zic4 は、体の背びれ側の形づくりに関わる遺伝子です。
  • これらの遺伝子の働きが弱くなることで、ヒカリメダカのような上下対称に近い体型が生じる可能性が示されました。

論文から読み取れること

ヒカリメダカの体型は、単に背びれや尻びれの形だけが変わったものではなく、体の背中側とお腹側の作られ方そのものが変化した結果だと読み取れます。とくに zic1 と zic4 は、背中側らしい形を保つために大切な遺伝子であり、その働きが弱くなることで、背中側がお腹側に近い形になり、ヒカリメダカ特有の体型につながると考えられます。

まとめ

この論文は、ヒカリメダカのような上下対称の体型が、背びれ側の体づくりに関わる遺伝子の変化によって生じる可能性を示した研究です。ヒカリメダカの特徴は見た目だけでなく、発生の段階で体の上下の作られ方が変わることで生じていることが分かります。ヒカリメダカの体型を遺伝学的に理解するうえで、重要な論文のひとつです。

参考文献

Possible roles of zic1 and zic4, identified within the medaka Double anal fin (Da) locus, in dorsoventral patterning of the trunk-tail region (related to phenotypes of the Da mutant) Masato Ohtsuka, Natsuko Kikuchi, Hayato Yokoi, Masato Kinoshita, Yuko Wakamatsu, Kenjiro Ozato, Hiroyuki Takeda, Hidetoshi Inoko, Minoru Kimura Mechanisms of Development 121巻7-8号 873-882 2004年

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