メダカに関する記事
[2017年9月21日投稿]
屋外のメダカ飼育で起こり得る台風の影響についてまとめてみました。

台風について
台風になる条件としては赤道付近で熱帯低気圧が発生し海水温が27度以上からなる最大風速17.2m/s以上で台風何号発生と発表されます。また台風発生後、日本に上陸する時期が9月に多い理由は太平洋高気圧にあります。夏は太平洋高気圧の張り出しが北海道を除く日本列島を覆いますので台風は北上できず太平洋高気圧が南東へ遠ざかる9月頃、太平洋高気圧の周りにある時計回りに流れる風にのりながら北上し西から東へ吹く偏西風の影響で東寄りに進路を変え日本に上陸します。

台風の目
台風の目

低気圧
低気圧の影響によりメダカの飼育環境が左右されます。気圧とは大気から地表にかかる圧力の事で地表にかかる圧力が強いのが高気圧で地表にかかる圧力が弱いのが低気圧です。ヘクトパスカルとは気圧の単位で1気圧=1013ヘクトパスカルと決められています。なぜ低気圧がよくないかというと水槽内の生態のバランスが崩れるからです。また低気圧は人間にとっても悪影響を及ぼします。たとえば低気圧が近づくと血流が悪くなり肩こりなどがひどくなったりします。大気からの圧力が強い高気圧だと空気の量が多いのでもちろん酸素も豊富です。逆に低気圧の場合は大気からの圧力が弱いため空気量が少なく酸素量もまた少なくなりますので当然水中の溶存酸素量も少なくなります。酸素量が急激に少なくなると水槽内の水質を保っているバクテリアやプランクトンが減りバランスが崩れメダカに負担がかかります。そして常在菌である通性嫌気性菌(つうせいけんきせいきん)のエロモナス菌や偏性好気性菌(へんせいこうきせいきん)のカラムナリス菌などの病原菌が増殖していきます。病原菌の感染の初期症状(初期行動)は水槽の下層の端っこでじっとしていて元気に泳ぎません。感染の末期症状としては酸素を求めるように水面下をフラフラと泳ぐ行動をとります。また病原菌の増殖が進めばたった数時間で水槽内にいる全てのメダカに危険が及びます。水槽内のメダカが全滅してしまう突然死の死因のひとつがこの低気圧によってもたらされます。

運動性エロモナス症のメダカ
運動性エロモナス症のメダカ
血が滲んでいる
(エロモナス・ハイドロフィラ菌による感染)

マツカサ病のメダカ
マツカサ病のメダカ
鱗が逆立ったように見える
(エロモナス・ハイドロフィラ菌による感染)

強風
台風がもたらす影響のひとつが強風です。メダカ飼育水槽は当たり前ですが吹き飛ぶということはまずあり得ませんが強風で枯葉やゴミなどが飛んでくる場合があるので水槽に入らないように蓋や網をかけ防ぎます。また飼育で使う餌や網などの用品の片付けも忘れないようにします。ビニールハウスで飼育をしている場合には台風接近のニュースが流れたらビニールハウスの状態をチェックをします。マイカ線やハウスバンドの締め具合を確かめたりビニールの補修をします。弊社では台風や風が台風並みに強い場合にはビニールハウスの両サイドを40センチ位開けています。ビニールハウスを開けておく利点は風が抜けるので骨組みが変形してしまう可能性が低い事です。ハウス内にある飛ばされそうなものは片付けハウスバンドをきつく閉め強風に備えています。簡易的なビニールハウスで飼育をしている場合には面倒になりますが解体することをお勧めいたします。台風は左回転であるため移動スピードのある台風では左側より右側の方が風が強いようです。逆に移動スピードが遅い台風では右側左側どちらも風の強さはあまり変わらないようです。

集中豪雨
限られた地域内で多量の雨が降り続くことを集中豪雨といいます。集中豪雨は台風に限らず発達した積乱雲によっても起こる現象です。ビニールハウス内での飼育は雨は入らないので問題ありませんがハウス外部には溝を掘り雨水がハウス内に浸水しないようにします。屋外での飼育は水抜き穴を開けたり簡易プラ蓋を乗せたりして対策します。天候急変でザーっと雨が降ってから穴を開けても遅いので水槽設置後穴を開けておきましょう。穴の開かないガラス水槽や甕などの場合はホームセンターにあるプラスチック板やアクリル板をカット加工して蓋として利用します。水中の酸素量が少なくなるので雨が止んだら蓋は外します。また稚魚メダカの水槽は穴を開けると流されてしまったり雨水によって水質が急変するので雨水が入らないように蓋を乗せたほうが安心です。

魚釣り(余談)
余談ですが魚釣りには大気からの圧力がない低気圧がよいです。魚には浮き袋があり圧力があると浮き袋は縮み圧力がないと浮き袋は広がり魚生体が浮きやすくなり、また水中の溶存酸素量が少なくなるので酸素を求めて浮いてくるために釣りやすいと言われています。
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