カテゴリ産卵・繁殖
メダカの繁殖では、オスが求愛してもメスがいつでも受け容れるわけではありません。では、メスはどんなタイミングでオスを受け容れるのでしょうか。今回は、メスのメダカの性行動と排卵のタイミングの関係を調べた研究を紹介します。
この論文はどんな内容か
この研究は、メスのメダカがオスの求愛を受け容れる気持ち、つまり性的受容性が、排卵周期とどのように関係しているかを調べたものです。研究では、排卵できないようにしたメスメダカを使って行動を観察したところ、オスから求愛されてもまったく受け容れませんでした。一方で、正常なメスでは排卵の直後に性行動が起こることが確認されました。さらに、排卵時に卵巣から分泌されるホルモンと同じ受容体に作用するホルモンを与えると、排卵そのものは回復しなくても性的受容性が回復しました。これにより、排卵時のホルモンが脳に直接働いて、メスがオスを受け容れる行動を促している可能性が示されました。
要点まとめ
- メスのメダカの性的受容性と排卵周期の関係を調べた研究です。
- 排卵できないメスは、オスに求愛されても受け容れませんでした。
- 正常なメスでは、排卵の直後に性行動が起こることが確認されました。
- 排卵は照明点灯の約2時間前に起こり、性行動はその少し後に起こりました。
- 排卵時に卵巣から分泌されるホルモンに関係する刺激で、性的受容性が回復しました。
- 排卵時のホルモンが脳に直接働き、性行動を促している可能性が示されました。
- メスがオスを受け容れる行動の神経回路を考えるうえで重要な研究です。
論文から読み取れること
この研究から、メスメダカがオスを受け容れるかどうかは、単に卵を持っているかどうかではなく、排卵が実際に起きたかどうかと強く結びついていると読み取れます。つまり、繁殖のタイミングは卵巣の状態と行動がきちんと同期しており、その橋渡しをするのが排卵時に分泌されるホルモンと脳の反応だと考えられます。メダカの産卵行動を理解するうえで、排卵後にメスの受け容れ行動が高まるという点はとても重要です。
まとめ
この研究は、メスのメダカの性的受容性が排卵周期に同期して高まることを示したものです。排卵できないメスはオスを受け容れず、排卵時のホルモンに関係する刺激によって受け容れ行動が回復したことから、排卵の情報が脳に伝わって性行動を促している可能性が示されました。メダカの繁殖行動や産卵のタイミングを理解するうえで、非常に参考になる研究です。
