メダカに関する記事
[2026年8月3日投稿]

亀田養魚で産卵期の親メダカを管理している飼育容器

毎日のように卵を産んでいたメダカが、急に産卵しなくなることがあります。
「昨日まで産んでいたのに、なぜ卵を産まなくなったのか」と心配になる方も多いと思います。

しかし、メダカが産卵しない、または卵を産まない状態になったからといって、すぐに飼育環境や親メダカに問題があるとは限りません。

最初に確認したいのは、現在がメダカの産卵時期なのかということです。

屋外や無加温のビニールハウスで自然の季節に合わせて飼育している場合、メダカが一年中同じように卵を産むわけではありません。

今回は、今まで産卵していたメダカが卵を産まなくなった場合に考えられる原因と、確認したい対処法を、亀田養魚での飼育・生産経験をもとに紹介します。

メダカが卵を産む時期は概ね5月から7月

栃木県で屋外や無加温のビニールハウスを使ってメダカを飼育する場合、産卵期は概ね5月から7月までです。

メダカがよく卵を産む期間は、春から夏にかけての約3か月間と考えています。

もちろん、年ごとの気温や日照、飼育場所によって多少前後します。
暖かい年には早く始まり、気温の低い年や曇天の多い年には、産卵開始が遅れることもあります。

それでも、自然の季節に合わせた飼育では、5月から7月が採卵の中心になることに変わりはありません。

8月にメダカが卵を産まなくなるのは異常ではない

8月になってメダカが産卵しなくなったり、卵の数が減ったりしても、すぐに異常と考える必要はありません。

亀田養魚での経験では、栃木県では梅雨明け後の7月後半から、徐々にメダカの産卵数が減り始めます。

8月に入ると、それまで毎日のように多くの卵を産んでいた親メダカでも、産卵数にばらつきが出てきます。

そして、8月下旬になると、多くのメダカが卵を産まなくなります。

水温が高く、日照時間もまだ十分にあるように見えても、メダカは季節の変化を感じています。

夏の終わりが近づけば、メダカの産卵期も自然に終わっていきます。

この時期にメダカが産卵しなくなったからといって、餌や水換えの方法が間違っているとは限りません。

自然の季節に合わせて飼育している以上、産卵期の終わりに逆らって、いつまでも同じ数の卵を採り続けることはできません。

自然の産卵周期には逆らえない

メダカの産卵には、水温、日照時間、光の強さ、親魚の体力などが関係しています。

飼育者が餌や水質を整えることはできますが、自然の日照や季節そのものを変えることはできません。

特に屋外や無加温のビニールハウスでは、春から夏へ向かう時期と、夏から秋へ向かう時期では、同じような水温でもメダカの反応が異なります。

5月から7月にかけては産卵が増えやすく、7月後半から8月にかけては徐々に落ち着いていきます。

8月下旬になって卵を産まなくなったメダカを、異常と考えて何度も移動させたり、大量に餌を与えたりする必要はありません。

産卵期が終わった場合は、採卵を続けることよりも、親メダカの体力を回復させる管理へ切り替えます。

産卵期なのにメダカが卵を産まない場合は原因を確認する

産卵しない原因を確認した方がよいのは、本来の産卵期である5月から7月に、産卵数が急に減った場合です。

それまで順調に卵を産んでいた親メダカが、産卵期の途中で急に産まなくなった場合は、飼育環境や親魚の状態に変化がないか確認します。

ただし、一日や二日卵を産まなかっただけで、すぐに問題と判断する必要はありません。

天候や水温によって、日ごとの産卵数には波があります。

数日間にわたって産卵数が少ない、またはほとんど卵が採れない状態が続いた場合に、考えられる原因を一つずつ確認します。

メダカが産卵しなくなったら最初に飼育数を確認する

産卵期にメダカが産卵しなくなった場合、最初に確認したいのが、飼育容器に対するメダカの数量です。

亀田養魚では、親メダカの飼育密度について、理想は水量2~3リットルに対してメダカ1匹程度と考えています。

例えば、水量30リットルの容器であれば、10~15匹程度が一つの目安になります。

実際に飼育できる数は、容器の形、水面の広さ、水質、給餌量、日当たりなどによっても変わります。

しかし、卵を産まなくなったときは、まず親メダカを入れすぎていないか確認することが大切です。

飼育密度が高くなると、餌の取り合いやオスによる追い回しが増えます。

水質も変化しやすくなり、酸素不足や親魚の体力消耗につながる場合があります。

過密になっている場合は、容器を大きくするか、親メダカを複数の容器へ分けます。

オスが多すぎないか確認する

親メダカの合計数だけでなく、オスとメスの割合も確認します。

オスが多すぎると、1匹のメスが何匹ものオスから追い回されることがあります。

追い回しが続くと、メスが落ち着いて餌を食べられなくなり、ヒレが傷んだり、体力を消耗したりします。

メスが痩せている、容器の隅へ逃げている、特定の個体だけが追われている場合は、オスの数を減らすことも検討します。

反対に、メスに対してオスが少なすぎる場合や、オスの体調が悪い場合は、卵を産んでいても未受精卵が増えることがあります。

卵を産まなくなったときは水の状態を確認する

メダカが産卵しなくなった場合は、飼育水の状態も確認します。

水換えは、決められた日数だけで機械的に行うのではなく、水の色、臭い、汚れ、メダカの動きなどを見て判断します。

餌の食べ残しやふんが多く、普段と違う臭いがする場合は、水質が悪化している可能性があります。

メダカの餌への反応が悪い、水面付近へ集まっている、泳ぎが鈍いといった場合も注意が必要です。

水の状態が悪いと判断した場合は、水温差に注意しながら水換えを行います。

ただし、メダカが卵を産まないからといって、毎回すべての水を新しい水へ交換する必要はありません。

急激な水質や水温の変化は、親メダカへの負担になります。

汚れの状態を見ながら、必要な量の水を交換し、飼育環境を整えます。

水換え後すぐに産卵するとは限らない

水質が原因だったとしても、水換えを行った翌日から必ず産卵が再開するとは限りません。

親メダカが水質悪化によって体力を消耗していた場合は、状態が戻るまでに時間がかかります。

また、大きな水換えや容器の移動そのものが刺激となり、一時的に産卵しなくなることもあります。

水換え後に餌を食べ、正常に泳いでいる場合は、環境を何度も変更せずに数日間様子を見ます。

餌を十分に食べているか確認する

メスが卵を作るには、多くの栄養と体力が必要です。

産卵期に餌が不足すると、メスが元気そうに見えても、卵を産まなくなったり産卵数が減ったりすることがあります。

特に毎日のように産卵を続けているメスは、卵を作るために多くの栄養を使っています。

親メダカの腹部が痩せていないか、餌へ十分に反応しているかを確認します。

ただし、産卵数を増やしたいからといって、一度に大量の餌を与えるのは逆効果です。

食べ残した餌は水質を悪化させます。

一度に多く与えるよりも、親メダカが食べ切れる量を複数回に分けて与える方が適しています。

曇り空や日照不足の影響もある

5月から7月の産卵期であっても、曇り空や雨の日が続くと、産卵数が減ることがあります。

メダカの産卵には、水温だけでなく日照も関係しています。

気温や水温が十分に高くても、曇天が続いて光が弱くなると、産卵が不安定になり、卵を産まない日が増える場合があります。

真夏の強い日差しは遮光ネットで弱めることができますが、曇天による日照不足を屋外で補うことは簡単ではありません。

メダカが元気で、飼育密度や水質にも問題がない場合は、天候の回復を待つことも必要です。

年齢を重ねたメダカは産卵しなくなることがある

亀田養魚で翌年の親魚として管理している前年生産のメダカ

飼育数、水質、餌、日照に大きな問題がなくても、親メダカの年齢によって産卵数が減ることがあります。

亀田養魚では、産卵量が落ちてきた年齢の高い親メダカを、老成魚として考えています。

メダカは生きている限り、必ず毎年同じ量の卵を産むわけではありません。

年齢を重ねると、産卵数が減ったり、産卵する間隔が長くなったり、卵を産まなくなったりする個体が出てきます。

体が大きく、見た目には立派なメダカでも、繁殖能力が高いとは限りません。

亀田養魚では前年生産魚を親に使う

亀田養魚では、前年の春から夏に生産したメダカを、翌年の親メダカとして使用しています。

つまり、亀田養魚で使用している親メダカの多くは、初めて本格的な産卵期を迎える個体です。

産卵シーズン1回目の若い親メダカを中心にすることで、産卵数や親魚の体力を安定させやすくなります。

一方、前年に一度産卵期を経験し、翌年に産卵シーズン2回目を迎えた親メダカでは、産卵量が減るケースを多く見てきました。

すべての2年目のメダカが産卵しなくなるわけではありません。

2回目の産卵期でも多くの卵を産む個体はいますが、全体として見ると、1回目の産卵期より産卵数が少なくなる傾向があります。

産卵シーズン2回目なら親の入れ替えも検討する

産卵期である5月から7月にもかかわらず、飼育密度、水質、餌、日照に問題がない場合は、親メダカが何回目の産卵シーズンを迎えているか確認します。

産卵シーズン2回目以降の親魚で、卵を産まなくなった場合や産卵量が大きく減っている場合は、若い親メダカへの入れ替えを検討します。

老成魚をそのまま飼育することに問題はありませんが、安定した採卵を目的にする場合は、若い親魚の方が向いています。

前年に生産した健康な若魚を残し、翌年の親魚にすることで、毎年の採卵を安定させやすくなります。

親メダカを購入するときは年齢を確認したい

繁殖を目的に親メダカを購入する場合は、その個体がいつ生まれたメダカなのかを確認しておきたいところです。

体が大きく、品種の特徴がよく出ている個体でも、すでに産卵シーズンを一度経験した親魚かもしれません。

産卵シーズン2回目の個体であれば、購入後に産卵しても、若い親魚ほど多くの卵を産まない可能性があります。

特に「親メダカ」や「種親」として販売されている場合は、品種の特徴だけでなく、生産された時期や年齢も確認することをおすすめします。

安定して採卵したい場合は、前年の春から夏に生まれ、これから初めて本格的な産卵期を迎える個体が適しています。

メダカが卵を産まないのではなく見つからない場合もある

メダカが産卵しなくなったと思っても、実際には卵を産んでいる場合があります。

メダカは朝に産卵し、しばらく腹部へ卵を付けたまま泳ぎます。

その後、産卵床、水草、浮草の根などへ卵を付着させます。

産卵床以外の場所へ卵を付けたり、容器の底へ落としたりすることもあります。

落ちた卵は、親メダカに食べられる可能性があります。

夕方に産卵床だけを見て卵がない場合でも、朝には産卵していた可能性があります。

産卵の有無を確認するときは、朝の時間帯にメスの腹部を確認します。

メダカが産卵しなくなったときの確認順

5月から7月の産卵期中にメダカが産卵しなくなった場合は、次の順番で確認します。

  1. 朝にメスが卵を付けていないか確認する
  2. 産卵床以外の場所に卵がないか確認する
  3. 水量2~3リットルに対して1匹程度になっているか確認する
  4. オスが多すぎてメスを追い回していないか確認する
  5. 水の色、臭い、汚れ、メダカの動きを確認する
  6. 必要に応じて水温差に注意しながら水換えする
  7. 親メダカが十分に餌を食べているか確認する
  8. 曇天や日照不足が続いていないか確認する
  9. 親メダカが何回目の産卵シーズンなのか確認する

一度にすべての条件を変更すると、メダカが産卵しなくなった原因が分からなくなります。

明らかに問題のあるところから一つずつ見直し、親メダカの状態を確認しながら管理します。

8月以降は無理に産卵させない

8月に入り、特に8月下旬になってメダカが卵を産まなくなった場合は、産卵期の終了である可能性が高くなります。

この時期に若い親へ交換したり、大量の餌を与えたり、水換えを繰り返したりしても、産卵が安定して再開するとは限りません。

産卵を続けてきた親メダカは、春から夏にかけて多くの体力を使っています。

採卵期が終わったあとは、産卵数を増やすことよりも、親魚の体力を回復させることが大切です。

十分に餌を与えながら秋までに体を整え、冬を越せる状態にします。

メダカが卵を産まなくなったら季節と親魚の年齢を確認する

メダカが産卵しない、または今まで産んでいた卵を産まなくなった場合は、最初に現在の季節を確認します。

栃木県では、屋外や無加温飼育の産卵期は概ね5月から7月です。

梅雨明け後の7月後半から産卵数が徐々に減り、8月下旬には多くのメダカが卵を産まなくなります。

これは飼育の失敗ではなく、自然な産卵周期です。

一方、産卵期である5月から7月にメダカが産卵しなくなった場合は、まず水量2~3リットルに対して1匹程度の飼育数になっているか確認します。

続いて、水の状態、餌の食べ方、日照、オスとメスの割合を確認し、必要に応じて水換えや飼育数の調整を行います。

それでも卵を産まない状態が続く場合は、親メダカの年齢も確認します。

亀田養魚では、前年の春から夏に生産した、産卵シーズン1回目の個体を親メダカとして使用しています。

産卵シーズン2回目の親魚では、産卵量が減ったり、卵を産まなくなったりするケースを多く見てきました。

自然の産卵時期と親メダカの年齢を考えず、産卵数だけを増やそうとしても、安定した採卵にはつながりません。

産卵期には飼育環境を整え、産卵期が終わったら自然の流れに合わせて親メダカを休ませることが、長く健康に飼育するために大切です。

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