カテゴリ:遺伝・品種改良
近親交配とは、兄弟、親子など遺伝的に近い血縁関係を持つ個体同士を交配することです。英語ではinbreedingと呼ばれ、系統作出や実験動物の系統維持でも利用されます。
ホモ接合性が高まりやすい
近縁個体は共通祖先から同じ対立遺伝子を受け継いでいる確率が高いため、近親交配を繰り返すとホモ接合となる遺伝子座が増えます。
形質固定に利用される
目的とする対立遺伝子をホモ接合化し、表現を安定させたい場合には近親交配が利用されます。メダカ研究では兄妹交配を長期間続けた高度な近交系も確立されています。
近交弱勢の可能性
有害な潜性対立遺伝子もホモ接合になりやすくなるため、系統によっては繁殖力、成長、生存などが低下する近交弱勢が現れる可能性があります。
必ず弱くなるとは限らない
メダカは実験系統で非常に長い近親交配が維持されてきた例があり、近親交配を数世代しただけで必ず健康問題が起きるとは言えません。影響は系統が持つ遺伝的負荷や選抜によって異なります。
観賞系統では繁殖成績を記録する
孵化率、成長、生存率、奇形率などに継続的な悪化がないかを世代ごとに記録し、必要に応じて別ラインとの異系交配を検討します。
近交係数という考え方
集団遺伝学では、ある遺伝子座で二つの対立遺伝子が共通祖先由来で同一になる確率を近交係数で表します。単に『兄弟を掛けた回数』だけでは近縁度を完全には表せません。