カテゴリ:遺伝・品種改良
遺伝的多様性とは、ある集団の中にどれだけ多様な対立遺伝子や遺伝子型が存在するかを表す概念です。同じ品種名のメダカでも、集団内の遺伝的多様性の大きさは系統や繁殖方法によって異なります。
多様性があると個体差が生まれる
対立遺伝子の種類や組み合わせが多ければ、体色、成長、繁殖力などの個体差が生まれる土台になります。品種改良ではこの変異の中から目的形質を選びます。
少数親の累代で減りやすい
毎世代ごく少数の親だけを使うと、その親が持っていなかった対立遺伝子は次世代へ残らず、集団全体の多様性が徐々に小さくなる可能性があります。
近親交配との関係
近親交配ではホモ接合性が高まりやすく、閉鎖的な小集団では遺伝的多様性も低下しやすくなります。ただしメダカには長期間維持された高度近交系もあり、影響の程度は系統によって異なります。
異系交配で新しい変異を導入できる
異系交配によって別系統の対立遺伝子を導入すると、多様性を増やせる場合があります。その一方で、元の固定形質がばらつく可能性もあります。
多ければ常に良いわけではない
品種固定では特定遺伝子をそろえることも必要です。重要なのは「最大限多様にする」ことではなく、目的形質を維持しながら繁殖力や健康を保てる管理を行うことです。
野生集団では地域性も多様性の一部
野生メダカには地域ごとの遺伝的集団構造があります。観賞魚を野外へ放すと、その地域固有の遺伝的多様性を乱す可能性があるため、飼育魚は放流しないことが重要です。