カテゴリ:遺伝・品種改良
雑種強勢とは、遺伝的背景の異なる二つの系統を交配した子、特にF1で、成長、生存、繁殖力などが親系統の平均より高くなることがある現象です。英語ではheterosisまたはhybrid vigorと呼ばれます。
ヘテロ接合性の増加と関係する
異なる系統を交配すると、多くの遺伝子座で異なる対立遺伝子を持つヘテロ接合体が増えます。有害な潜性遺伝子の表現が隠れることなどが雑種強勢の説明の一つです。
メダカ研究でも利用例がある
透明系の実験メダカへ遺伝的に離れた野生型系統を交配し、生命力の改善を利用した研究例があります。これはメダカでも遺伝的背景の組み合わせが生存性へ影響し得ることを示します。
F1が必ず優れるわけではない
異系交配をすれば必ず大きくなる、病気に強くなるという法則ではありません。親系統の組み合わせや対象形質によって効果は異なります。
観賞形質が良くなるとは限らない
生命力が高まっても、目的の体色や模様が崩れることがあります。雑種強勢は「観賞価値が高くなる」という意味ではありません。
F2では効果や表現が分離することがある
F1で均一に見えた性質も、F2では遺伝子が再び組み替わり、多様な遺伝型へ分離します。F1の状態がそのまま固定されるとは限りません。
雑種強勢の逆も起こり得る
遺伝的に離れた系統を交配しても、遺伝子の組み合わせが合わず目的形質や適応度が低下する場合があります。異系交配の結果は実際の子世代で評価する必要があります。